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美少女(♂)秀吉のある日の苦悩 第8話

2010年02月11日 21:17

どうもご無沙汰してます、星崎です。
長らくお待たせしましたが、ようやく続編でございます。

え~っと、前回から……………んん?
前回から、えっと……………。
あの………その………えっと…………。





半年ほどお待たせしていますね





本当にすみません><
いや、すっごいお待たせしていました。
コメントいただいたオキシドールさん、他にも見ていただいている皆様、本当にお待たせしました。

今回は、その分―――といってはいけませんが―――いつもよりちょっと多いです。
と、いうかその方が区切りがよかったからなのですが。
ってか毎回こんなこと言ってる気がします(ぁ
いやあ、いつものが短すぎるんだよね。
あれ、これも前回いったようn――――――



また、今回はちょっと書き方を変えております。
何が難しいって、秀吉の一人称ってのがもともと無理無理だよね(ぁ
と、いうわけで今回は以前からやりたいと思っていた一人称+三人称でやってみました。
竹岡葉月先生の「sh@pple」という作品の書き方がすごく好きなのでそれを目指してみた感じです。
しかし難しい難しい;;
読みやすくはなってるんじゃないかなと思ったり……なってないかな?
その辺のご意見もいただければ嬉しいです。

お待たせした分のおもしろさが作れていればうれしいです。
もう、ゴールしていいよね……?


いつも通り本編は追記から。
楽しんでいただければ幸いです!

ではではっ








 昼だと言うのに薄暗い廊下は、通路の先まで長く続いていたが、その暗さのため先のほうをはっきり見ることが出来ない。そのため、廊下全体がぼんやりとした視界に覆われまるで異世界のような空気を醸し出していた。

 廊下にはいくつものドアがあり、普段見慣れているような普通のドアが、中身が見えないという得体の知れないものへの恐怖と、いつ開くかもしれないという先への恐怖を植えつける絶妙な道具となっていた。

 その中を歩く、女子高生が二人。

「………やっぱり結構怖いわね」

「うむ、まあなかなか雰囲気は出ておるのう」

 ―――に見える、男の娘と女の子の二人組。

 流れで決まったペアに従って順番に屋敷の中に入ることになった秀吉たち一行。順番は雄二たちが1番、明久たちが2番、ムッツリーニたちが3番、最後に秀吉たち、ということになった。

「しかし島田も一度はここに来ておらんかったかの?」

 雄二と霧島の二人をくっつけるため、という名目でこの遊園地にいろんな仕掛けをして回ったのはそんなに前のことではないと記憶しておるんじゃがの。

「ウチはここにはほとんどノータッチだったし………それに、こんなところ何度来ても怖いもんは怖いわよ………!」

「まあ……そう言われてみればそうじゃの」

 あの時は誘導役に明久、中での声にワシ、仕掛けについては明久とムッツリーニの共作………確かに島田が手伝ったところはあそこにはなかったのう。

 まあ、苦手なものを進んで手伝う必要もあるまいしの。自分から避けていたのじゃろう。

 一人納得してうんうん頷く秀吉と、その傍らで恐怖に震えている美波。なんとも対照的な光景であった。無論、お化
け屋敷というのはそのようなロケーションが多いのかもしれないが。

 そう、たとえば――――――怖がりな彼女と、頼りになる彼氏、のような光景。

「のう、島田」

「ひゃっ!な、なによ!いきなりしゃべりかけられたらびっくりするじゃない!」

「それくらいで驚いておったら、仕掛けが出てきたときにはどうなるんじゃ………?」

 ここは結構長いのじゃぞ?まあ、確か途中でリタイアすることも出来たような気がするのじゃが。

「………で、何?」

「話しておると、不意に何か出てきたときに刺激が強くならんか?」

「黙ってるのも怖いわよ……何でもいいから話して」

 確かにコツコツと靴の音だけが響くというのも怖いかもしれんのう、と思い秀吉は口を開いた。ちなみに秀吉はただのスニーカーだが。

「なんで、明久と一緒に入らなかったんじゃ?」

「……………」

 秀吉の問いかけに美波は答えなかった。

 廃病院を改造して作られた薄暗いお化け屋敷。その中を歩く若き男女2名。二者の間を漂う沈黙。

 ―――あれ?入って5分しか経ってないのにもう気まずい雰囲気とはどういうことじゃ!?

「のう、しま―――」





「何故って………当たり前じゃない………」




 すると、美波は急に秀吉の方に体を向け、真っ直ぐにしっかりと秀吉の目を見つめた。

 秀吉があせるほど不意に、そして近くに寄せられたその顔は、よく見ると目もうっすら潤んでいて。

 開こうとする唇は、少しだけ震えていて。


 ………あれ?なんじゃろう、この空気は。

 秀吉がなんとなく息をとめてしまうようなわずかな沈黙を経て、美波はゆっくりと口を開いた。






「2人1組がルールだからよってきゃあああああああああああああああ!!!」

「ふおおおおおおおおおおおおおお!!??」

 ゆっくりと開かれた口は大きく開かれ、美波は力いっぱいの悲鳴をあげていた。

 それにつられて、というかさっきまでの雰囲気に飲まれていた秀吉もその声にびっくりして悲鳴をあげてしまう。

「な、ななな、なんじゃ島田!?」

「う、後ろ!」

 島田が必死で自分の背後を指差す。ん?と思い振り返ってみると、なるほど納得。

「…………これはまた、最初っから飛ばすのう」

 廊下を横に並んで歩いていた秀吉と美波が向かい合ったために、秀吉の背後、美波の真正面に見えることになる、ドアがいつの間にか開かれていた。

 開かれたドアが導く部屋の中には、包帯が部屋中に張り巡らされていて、それに引っかかるようにぶらさがる人影が。

 薄暗い廃病院でこんなもの見せられたら、確かに普通の女の子なら叫び声をあげてしまうであろう光景だった。

「それにしてもびっくりしたのう………」

「まったくよ……こんなものがずっと続くかと思うと………」

 行き過ぎた感のある恐怖に逆に落ち着いてしまう秀吉と美波。

 しかしびっくりしたもんじゃが、冷静になってみるとさっきのワシの緊張も馬鹿げた話じゃな。

 顔が近くにあったのは周りが怖いから寄り添って歩いてたからじゃし、目が潤んでいたのもここを歩いていて怖かったからじゃし、唇が震えていたのも怖かったからじゃろう。

 …………全部、恐怖が原因じゃのう。

 まったく、演劇を志す者、他人の感情には敏感でなければならんというのに、ワシもまだまだじゃのう。

「………で、何の話だったかのう?」

「なんでウチがアンタと組んだか、って話でしょ」

「そうじゃったな…………で、何故なんじゃ?」

「だから……2人1組じゃないとダメだからよ」

「それはまたなんでじゃ?」

「え、わからない?」

 Fクラスに毒されてるわね、とでも言いたげな表情でため息をつきながらも説明してくれる島田。

「まず、坂本は霧島さんとひっつくでしょ。で、土屋は工藤さんと。で、明久がウチか瑞希のどっちかと組む。で、アンタとどっちかが組む。……ほら、人数的に2人1組が理想じゃない」

「別にそんなルール勝手に作らんでも、姫路と島田と明久の3人で入ればいいじゃろう」

 そうすれば変にもめることもなかろうに。なにゆえここまで回りくどいことをするというのじゃろうか。

「………アンタそれ本気で言ってんの?」

 突然島田が目を細めてにじり寄ってきた。相変わらず顔は近いがさっきまでとは違い、なんというか………怖い。

「本気も何も、それが一番いいじゃろう?」

「……………」

 さっきまでとはまた違う、居心地の悪い沈黙。

 別にワシは何も妙なことは言っておらんじゃろう。揉め事がないのは良いことだし、好きならば好きでこのようなチ
ャンスを逃すこともあるまいに。

 それなのに、何故島田は怒っているというのじゃろうか。ワシには全く理解できんのじゃが。

「まったく………何でアンタがFクラスにいるんだろう、って時々不思議に思うこともあったけど、わかった気がするわ。―――アンタは馬鹿よ」

「なっ………!」

 何を言っておるのじゃろうか。目の前の女子が何を考えておるのかさっぱりわからない。

 こんなこと言いたくはないが、ワシはみなのことを思ってこう言っておるのにその張本人がこの態度とは一体どういうことじゃと――――――




「ウチと瑞希と明久が一緒にここに入ったら、木下は誰と入るのよ」



 …………………。

 …………。

 ………。



「――――――!」

「まったく、アンタはホント馬鹿よ」

「………そうかもしれんの」

 つまり、島田が今ここにおるのはワシのため………?

「…………すまんの」

「何で謝るのよ」

「だって、だってじゃ……」

 こんなに近くにいる島田を見る。そう、こんなにも近くにいるのじゃ。明久ではなく、ワシの隣に。

「ワシのせいで……ワシが来たから島田は明久とここに入れなかったのじゃろう?」

「……………」

 思い返してみれば、男らしさだなんだと言って、周りのことが全く見えていなかったのはワシのほうかもしれんの………。

 自分勝手に張り切ったり落ち込んだりして、皆には悪いことをしていたのかもしれんのじゃな………。

 うつむき、とぼとぼと再び歩き出す秀吉を追いかけた美波は、不意に秀吉の手を握って――――――






 ――――――そのまま肘と肩の関節を同時に極めつつ、後頭部を肘で強打した。





「痛ッ!―――って痛い痛い痛いまだ痛い!」

「……………」

「な、何するのじゃ島田!」

「……………」

「痛い痛い、って何故無言で関節を!?」

「………………アンタを―――」

「な、なんじゃ?もうちょっと大きい声で―――」

「アンタを友達だと思ってたのは、ウチの方だけだったのかしら!?」

「そ、そんなことはないぞい!」

「じゃあ何で!さっきみたいなことを!言うのかし……らっ!」

「いたああああああああああ!」

 関節が………肘が動かなく、な………あ、なんかだんだん何も感じなく………。

「…………はあ」

「ひ、酷いぞい島田。あともう一歩でいつもの明久の二の舞に……」

「アンタこそ酷いわよ。ウチだったからよかったものの、他の奴に言ってみなさい。殴られるわよ」

 島田からも十分酷いことをされているのじゃが。というか殴った上に関節を陥れたじゃろう。

「みんなアンタのこと親友だと思ってんの。たかが遊園地のアトラクションくらいであーだこーだ言うんじゃないわよ」

「で、でもじゃな――――――」

「そ、れ、に!」

 今までワシのほうばかりを見てしゃべっていた島田が、今度はあらぬ方を向きながらしゃべりはじめた。

「今日はね、瑞希とちゃんと取り決めをしてるの」

「取り決め………?」

「そ。例えばジェットコースターはウチ。お化け屋敷は瑞希。コーヒーカップはウチ。メリーゴーランドはウチは恥ずかしいから瑞希―――と思ったけどやっぱりウチも一緒に乗りたいから明久には2回乗ってもらうわ。だからコーヒーカップも2回、ってね」

「……………そう言われてみれば」

 今まで乗ったアトラクションはそんな席順になっていたような…………。

「だから、木下が変に気にすることはないのよ」

「島田…………」

「今日は、皆で楽しまないといけないもの。だって――――――」

 美波はそこで言葉を区切ると、秀吉のほうに向き直って言った。




「皆、友達なんだからってきゃああああああああああああああああああああああ!!」



「なんじゃっ!?」

 叫び声をあげながら走り去ってしまう美波と、わけもわからぬまま一人取り残されてしまう秀吉。



 ―――そして秀吉の背後の手術室で立ち尽くす包帯ぐるぐる巻きのミイラ。



「………………まあ、これはこれでワシららしいのかもしれんの」

 大切なものはちゃんと聞けたしの。






 ちなみに、お化け屋敷の外に出たとき、一人は肘を押さえた格好で、一人は顔を赤紫色にして、一人は顔を青色にして気絶しておった。

 なんとなく中で何が起きていたかわかってしまうのは、ワシがFクラスだからなのかもしれんの。

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コメント

  1. オキシドール(カレー味 | URL | -

    Re: 美少女(♂)秀吉のある日の苦悩 第8話

    楽しかったwwww
    次回作楽しみにしてますwww

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